
Q.東筑高校での生活はどうでしたか。
楽しかったが一番ですね。勉強も、やるときはそりゃみんなきついかもしれないけど、仲間がいるから。友達同士で、どっちが先に自習室にいくかみたいな感じでいろいろ高め合えたのもあるし。点数で競争したりとかして、周りと一緒に勉強できたのは受験期でも楽しかったなと思いました。
(インタビューより抜粋)
本校には、国公立大学の医学部医学科に推薦系入試で進学する生徒が毎年います。今回インタビューした生徒は、部活動(サッカー部)や全国大会にも出場する技量のピアノと並行して勉学に励み、佐賀大学医学部医学科に現役合格を果たしました。
(1)”合格”を見た瞬間はどんな気持ちでしたか。
そうですね。 いや、自分は結構、受験勉強がきつくて。受かったときは本当に頑張ってよかったなってなりました。
―――推薦のためにかなり力を入れてた?
小論と面接の練習はしたんですけど、他は特になくて、推薦は受かったらラッキーぐらいな感じで、一般(選抜)でも受かれるような学力にしようと思っていました。
―――なるほど。合格を知ったら、一般選抜も見据えて勉強してたことが報われたなみたいな感じになったんだ。
はい、良かったです。
(2)入試内容はどのようなものだったか教えてください。
11月の段階で、面接と小論文があって、それと1月の共通テストの結果を全部合わせて、総合で合格者が決まるっていう感じです。
―――共通テストの合格基準はあったんですか?
それはないんですけど、大体8割ぐらいがボーダーなんじゃないかみたいな感じで。けど、その合格最低点とかも公表されないから、そこはちょっとわからないです。
(3)出来栄えはどうだったか教えてください。
共テは800点(編注:1000点満点中)ちょうどぐらいでした。
―――ちょうど8割だ。ギリギリ・・・。だから安心感があったわけじゃないのね。
全然なかったです。しかも、なんなら今年は易化してたんで。平均点が上がってたから、なおさらやばいなと。
―――なるほど。確かにね、その影響はないとは言い切れないもんね。小論・面接は?
小論文は、そこそこ書けたかなぐらいで。面接は自分でも完璧だなって思えるぐらいでしたね。
(4)なぜこの入試形式で受験しようと思ったのか教えてください。
そうですね。地域医療に携わりたいからです。あとは、面接と小論っていうオーソドックスな入試形態で、集団討論とか特別なことがなかったので、受けようかなと思って。しかも、医学科だったら一般(選抜)でも面接があるじゃないですか。だから、小論文の対策(が加わる)だけで、他にそんなに負担はないかなと思って。
―――そのときにはもう医学科の意思は固かった?いつの段階で医学科に変わった?
3年生に上がるときですね。もともと、理学療法士と医師になるので迷ってて。最初の方は、医師になるのはちょっと学力が足りんなと思って、最初の段階で理学療法士を目指してたんですけど、先生に聞いたら、別に合格最低レベルの人から全然離れてるわけじゃなくて、頑張り次第で行けるかもしれないって言われたから、志望を変えました。
―――なるほど。もともと、根底には医師というのもあったんだ。
はい、医療関係に携わりたいなとは思ってました。
(5)高校での教科学力の成績はどうだったんですか。
模試とかは学年で30位(1学年約280名)前後ぐらいのところで。数学と理科は得意だったんで、そんなに全然付いていけないって感じではなかったです。
―――なるほど。定期考査も同じぐらい?
はい、30位前後くらいでした。
―――そうなんだ。定期考査でもしっかり頑張れるし、模試でも成果が出せるしみたいな。しかし、そのぐらいで医学科は厳しいかなって思ってたってことでしょ?自分に厳しくない?
いや、でも模試の結果とかを見るともう全然違くて、医学科はやっぱり・・・。なんで、このままじゃやばいなって思いながら、ずっと勉強してました。
―――模試の判定はどうだったの?
もうずっとDとかEとかでした。
―――C以上見たことないってこと?医学科で。
えっと、1回だけ、C判定を取ったことあるけど、あとは全部Dとかでした。
―――なるほど。確かにそれを見てたら厳しいなって思うのかもしれないね。
(6)出願前、学校ではどのような指導を受けましたか。
調査書と自己推薦書を書かないといけなかったんで、それの添削をしてもらいました。
―――それは結構時間がかかった?
はい、結構時間をとりました。
―――内容は指導を受ける前後で変わった?
最初は、佐賀大に合わせた内容で行こうかなって思ってたんですよ。でも途中で、先生が「それだったらいろいろ覚えることも多いから、自分の素を出していいんじゃない」って言ってくださって、自分が思ってるようなことを書くようになりました。
(7)受験前、学校ではどのような指導を受けましたか。
小論添削してもらったのと、面接対策です。小論は英語の課題文を読んで、自分の意見を日本語で書くっていう内容だったので、英語の先生にも英文の和訳が合ってるかとか、解釈が合ってるかみたいなのも指導してもらいました。
―――なるほど。それは(教科学力が主に問われる)一般選抜のための勉強の時間を割いたような感じ?
小論は、週に1回か2回ぐらい、1回につき2時間ぐらい取ってやるくらいでした。そして、面接は10月から11月までの期間で全部合わせて多分5回ぐらいで設定してもらいました。
―――他の人と比べてすごく多いって感じではないよね?
はい。メインは(一般選抜に向けての)共通テストと2次試験の勉強っていう感じでした。
(8)高校時代の取り組みについて、出願や入試でアピールした内容を教えてください。
勉強はできて当たり前だから、その他に何か自分の武器っていうので、部活動とピアノと、あとボランティアで活動してたっていうことをアピールして、自己推薦書にもそれを書いたし、面接のときでもそれを言いました。
―――なるほど。ピアノの実績もアピールした?
中学校までは結構本気でやってたんで、何回か(全国大会に)出てたんですけど、高校になってからは1回か2回ぐらいしか出場してないけど、その1回で全国に行けたんで、それを書きました。
(9)高校時代にどのようなことに力を入れてきたかを教えてください。
そうですね。勉強面で言ったら、 どれにも手を抜かない、いろいろやってたって感じ。自分が受験勉強を始めるときに、終わって、あのときにもうちょっと勉強しとけばよかったって絶対思いたくないなって思って。なので、自分ができるときに、後悔しないまで絶対やろうって決めて。それでずっと勉強していったって感じですね。
―――受験期はやろうと思ったらやれたかもしれないけど、サッカーとかピアノやってたのは3年6月ぐらいまででしょ?1・2年生のときも同じような感じだったってこと?
自分の部活(サッカー)が同じ塾に行く人が多かったので、学校終わって、部活して、部活終わったらみんなで塾に行って、塾で勉強みたいなのが習慣化してたんで、それで勉強してました。
―――なるほどね。良い意味でまわりに流されて、みたいな。だから並行してやれるっていうね。
(10)進学して大学生活でやりたいことを教えてください。
もちろん医学のことも学ぶんですけど、英語ももうちょっと磨きをかけたいなと思いますし、その他の言語でも、ドイツ語とか、そこら辺もちゃんと学びたいなと思ってます。
―――でも今は医師だからってドイツ語やらなきゃいけないみたいな環境にはないでしょ?そもそも言語が得意なの?
いや、逆に言語が苦手で・・・。英語もそんな良くなかったから、逆に英語が読める人とかしゃべれる人を見て、わーすげえな、かっこいいなって思って、それになりたいなと思って。
(11)将来やりたいことは何ですか。
そうですね。自分はスポーツをしてたんで、医師になった後は、スポーツ関係の医師、スポーツ外科医とかのことを学んで、それが実践できたらいいなって思っています。
―――なるほど。整形外科とかスポーツ外科とかそういったところのに興味があると。
はい。
(12)東筑高校での生活はどうでしたか。
楽しかったが一番ですね。勉強も、やるときはそりゃみんなきついかもしれないけど、仲間がいるから。友達同士で、どっちが先に自習室にいくかみたいな感じでいろいろ高め合えたのもあるし。点数で競争したりとかして、周りと一緒に勉強できたのは受験期でも楽しかったなと思いました。
―――受験期でそう思えるってなかなかすごいよね。メンタル面でやばいなと思ったこととかなかったの?
ああ、何回かありましたよ。あるけど、でも、寝て起きて学校行ったら友達がいるし、それで友達を見るだけで、そんなの忘れて今日も頑張ろうって思いました。
―――なんか、模範解答みたいな・・・(笑)でもそれは建前とかじゃなくて・・・?
そういう面では本当に東筑でよかったなって思いました。
―――2年、3年次と理系難関クラスではなかったようですけど、入ろうとしなかったの?
そうです。別にそこにこだわりはなくて。別に志望もしなくてって感じです。
(13)本校を目指す中学生へのメッセージをお願いします。
そうですね。友達が一番大事なんで、入った後とかでも、仲間を大事にしてほしいなって思います。
―――なるほど。ちなみに中学校時代ってどんな人だったの?
僕ですか?こんな感じです。(笑)
―――周りの環境っていうのは中学校と高校で違う?
全然違いますね。中学校は進路がいろいろあるじゃないですか。だから、勉強を頑張る人は頑張ってたけど他の進路に向かって行く人もいるからバラバラっていう感じだったんですけど…。東筑に入るとみんな同じ目標に向かって頑張るっていう環境がいいなと思いました。
―――ちなみに高校受験のときは余裕があった人ですか?
やばかった人です。最後にグンって上がった感じです。高校受験もずっとC判定ぐらいでした。最後上がって、たまたま受かったみたいな感じで、全然余裕とかじゃなくって、本当ギリギリぐらいで頑張って受かって・・・。多分、春休みが大事で。(中学校卒業後の)春休みに勉強してたんですよ。春休みに勉強して、その分のアドバンテージで授業についていけたっていう感じです。
―――なるほど。C判定とかで他の高校を受けることは考えなかったの?
そうですね…。最初は、他校でもいいかなとか思ったりしたんですけど、受験生になって勉強して、こんだけ勉強してるんだったら最後まで頑張ろうって思って、東筑受けて・・・って感じです。
―――すごいね。
やっぱり、今の中3に言いたいのは、春休みに勉強しておこうということです。
―――なるほど。受かって慢心するなよと(笑)実質1ヶ月あるもんね。
中学んときめっちゃ成績よかったのにみたいな人もいっぱいいるし、逆に、中学のときにそれほどでもなかったのに今めっちゃ成績いいみたいな人もいるから。春休み、中3から高1の間の春休みが一番大事だと思います。