
本校からは毎年40名超の九州大学現役合格者を輩出しています。なかには、高校時代の活動を生かして推薦系入試で合格を勝ち取る生徒もいます。今回は、ESS部での活動をきっかけに、英語プレゼン大会での入賞、海外プレゼン大会への出場、中学校への出前授業、市民講座の開催等、多岐にわたる校外活動を実践し、将来にわたる目標も見つけた生徒にインタビューしました。
(1)”合格”を見た瞬間はどんな気持ちでしたか。
「受かったー!!」(笑)
―――なるほど。思いとしてはどうでしたか。
めっちゃ嬉しかったです(笑)
―――それ受かると思わなかったからそのような感じだったんですか。
いや、もう結構受かると思ってて。家族でみんなでちょっとお出かけしようみたいな車の中で合格発表を見て、「やっぱ受かってたー!!」みたいな(笑)
―――なるほどね。ある程度自信はあったけど、間違いなく受かってたのですごい嬉しかったっていう。
自信はあったので。
―――自信があったっていうのがすごいですね。
手応えがありました。
(2)入試内容はどのようなものだったか教えてください。
共通テストとプレゼンテーションと面接です。
―――それぞれ1次、2次とかになってたんですかね?
1次がまず志望理由書と活動歴報告書の書類審査。で、それで最終合格者の3倍程度に絞られて、2次選抜で共通テストとプレゼンテーションと面接。その内容でもう決まるっていう。
―――共通テストは基準があったんですか?何点を超えなければならないとか?
いや、もう加点だけです。国語・数学・英語と情報だけを使われて。それぞれ、50点/50点/50点/20点(分に圧縮)。情報が20点です。
(3)出来栄えはどうだったか教えてください。
共通テストは本当に合格基準点ぐらいで良くも悪くもなく。
―――その合格基準点は何を基準にしたものですか?
過去のデータとか見てて、受かった人が何%取れてるかというものです。
―――なるほど。プレゼンテーションは事前準備型のものですか?
そうです。プレゼンテーションは5分だからずっとスピーチみたいな感じなんですけど、その概要をまとめた、A4用紙1枚に概要書いて、それを事前に提出して当日話すっていう感じです。
―――なるほど。今回のお題は何だったんですか?
お題は「これまでの学びとこれからの学び」っていうお題です。
―――それは受験者個人の?それとも今後の教育界とか全体的な?
「自分の」これまでとこれからです。
―――プレゼンテーションは英語でした?
いや、これは日本語であっても英語でもいいんですけど、日本語で私はやって、その後、面接で一部英語で質問されるっていう感じです。
―――英語の外部検定試験の成績提出がありますよね。それは事前の書類の中に入っていますか?
入ってます。英検準1級持ってると共通テストの英語の点数が満点扱いになるんですよ。それを使って受けました。
―――今、準1級を取得しているんですよね?
はい、準1級です。
(4)なぜこの入試形式で受験しようと思ったのか教えてください。
私は高校時代に活動をたくさんしてきたので、その部分を評価してくれるっていう点と、あと私は活動の中でプレゼンテーション大会とかにも結構出たりしてたので、この得意なプレゼンテーション能力を活かせるなっていうふうに思ったのと、やっぱ英語での面接があるっていうのも自分は英語ディベートとか英語プレゼンとかしていた経験もあるので、英語に触れる機会も多くて、あんまり面接に対しての抵抗もなかったので、この入試形態を受けようと思いました。
―――なるほど。他の人は推薦の準備が結構な負担になるから、迷ってるような子もいるんだけど、むしろこっちの方が良いと判断したんですか?
このアピールは自分のことについてもっと知ってもらえるなって思いました。「一般選抜では、私のこと測れんだろうな」って思って(笑)
―――すごいメンタリティですね。このメンタリティあったらどこにでも合格しそうな気がしますね。では、負担でもなくむしろこっちに力を入れたんですね?
はい、もう入れました。
(5)高校での教科学力の成績はどうだったんですか。
概ね良かったと思います。1年の時は数学が苦手でしたが、2年生の時は結構頑張りはじめて、2年・3年はずっとよかったです。英語が自分は得意で、そこが得点源じゃないけど、なんか自信にはなってて。数学も苦手だったんですけど、定期テストは範囲も限られてるし、そこも必死にやれば全然追いつけたから、それも取れたかなと思います。
―――3年の模試での判定はどうだったんですか?
共通テストはもうずっとC判定とかなんですけど、九大模試みたいなのはB判定で。
―――なるほど。一般選抜ですごく自信があったかというと微妙なところでしたか?
はい。
―――一般選抜でももちろん受けるつもりではあって、受かる可能性もあったけど、ただ推薦の方が可能性は絶対高かろうと判断したんですね?
そうです。本当に頑張りましたね。
(6)出願前、学校ではどのような指導を受けましたか。
私は志望理由書と活動歴報告書の添削をお願いして、私は担任の先生に指導していただいたんですけど、共創学部の志望理由書とか活動歴報告書って本当にページ数が多くて、しかも全部手書きだから、本当に時間がかかって、私はもう提出期限ギリギリまでずっと粘って書き続けて、ずっと推敲してたんですけど、担任の先生も私のずっとやってるのにも付き合ってくれて、もう本当に感謝してます。
―――内容が大きく変わったりしたとかしたんですか?
あります。本当にすごい大変だったんですけど、最初は私、竹材を蓄財にっていう活動をずっとしてたんですけど。最初書いたのは、その竹をプラスチック製品の代替として使おうっていう流れでずっと志望理由書を書いてたんですけど、自分でも書いてるうちに可能性があんまり自分の中で落とし込めなくて…。それで、ある大学の教授にインタビューしに行ったんですよ。「実際どうなんですか?」って。その大学って竹も研究テーマに扱ってたりするから。竹を建築で使ったりとか、インドネシアでしてると思うんですけど、そこら辺に本当はどうなんですかって聞いたら、もうコテンパンに言われて。もうそこで「そんなのできるわけないよ」みたいな。「あなたはイーロン・マスクじゃないんだから」みたいな。結構メンタルズタボロみたいな(笑)私はもうちょっと建設的な話を求めていったのに…。そこで1回もズンっと(気持ちが)下がって、ちょっと学校にも行きたくないみたいな。もう本当に真剣に考えてたから。でもやるしかないと思って…。1回プラスチックをやめてみようって思って、そこから、今まで活動してきた中で、「地域と一緒にやる」、「地域コミュニティと一緒にやる」っていうのが多かったから、「地域」にフォーカスしてみようというふうになって、地域活性化と環境保全っていう二つに注目して、放置竹林を伐採しながら、地域活性化も一緒に行っていくみたいな。そっちに流れを変えていって、本当にギリギリまで粘って、やっと提出しました。
―――なるほど。結構な転換でしたね。今となってみたら、その大学教授に対してはどう思うんですか?ある意味、厳しいことを言ってくれたのって、それはそれで良い面があったのかなって気もしますが。
そうなんです。今思えば、結局は良い方向に持ってってくれたのかなって感謝の気持ちはあります。でも「あの言い方はないだろう」と思ってます(笑)
―――そうですね。「イーロン・マスクじゃないでしょ」って言われても、そもそもイーロン・マスクもスティーブ・ジョブズじゃなかったですしね。なりうる可能性がある人に言うのは確かに…。
まあ、でも、何かで見たのは、否定されてからが本当の夢だみたいな。だから否定されるのは悪くはないのかなって思います。
―――そうですね。何でもいいって言われて、将来いざとなったときに壁に直面するよりかはよかったのかもしれないですね。
(7)受験前、学校ではどのような指導を受けましたか。
もともと面接指導で担当の決まってる先生が2人いて、1人は英語の先生で、もう1人は他教科の先生で、英語の面接もあったから、普通に最初プレゼンして、あとは英語の先生に英語で質問してもらって返すっていう練習をして。いろんな先生に面接指導をお願いしたんですけど、計6人ぐらいの先生に指導していただいて、指導が終わるごとに訂正内容を全部メモしてパソコンに打ち直して原稿に加えたり、書き直したり、あとプレゼンの概要のA4用紙ももっとこうした方がわかりやすいんじゃないっていうふうにアドバイスをいただいて、それも納得いくまで全部ずっと修正して、入試前日まで書き直して、色使いとか構成とかキーワードの抜き出し方、ここツッコまれるんじゃないとか、なんか変なんじゃないっていうのを何回も何回も見直して、本当にこだわってこだわって作りました。
―――その期間中、教科の勉強はどれくらいできてたんですか?
してないです(笑)
―――なるほど、もうそこに全集中していたんですね。
共通テストが終わってから、2月1日のプレゼンまでは約2週間あったんですけど、ずっとそればっかしてました。
―――すごい。もう自分が受かるのはこれだって思ってたんですか?
もうやるしかないと思って。
―――すごいですね。
中途半端じゃ後悔すると思って。全力で行って、その後頑張ろうって思って。
(8)高校時代の取り組みについて、出願や入試でアピールした内容を教えてください。
活動歴では主に、放置竹林問題に対するいろんな活動、ボランティアから、自分で開いた市民講座とか、中学生に出前授業を行ったとかそういうこともアピールしたし、あとは英語プレゼンテーション大会の全国大会で銀賞を取ったこと。また、その賞金でオーストラリアのプレゼン大会に参加したことをアピールしました。

(9)高校時代にどのようなことに力を入れてきたかを教えてください。
そうですね。1,2年の頃はESS部で英語ディベートとか、これもいろんな物語あるんですけど紆余曲折して、結局ディベートはあんまり自分には向いてないなって思って、そこからプレゼンやってみよう、英語プレゼンやってみようってチャレンジすることにして。それを始めると、だんだん花開いていって。もういろんなとこに繋がってって、1個やったことがどんどん繋がっていったみたいな感じですね。
―――あなたの取り組みのキーワードの「竹」のことは、いつから、これ面白い、これ継続的にやってみようって思ったんですか?
社会問題調べて、何に取り組むかなって考えたときに、なんか竹がよぎって(笑)放置竹林ってあるなと思って。これだったら私達に何かできるかなと思って、よし活動しようと思って(笑)そこからやってみようって思いました。
(10)進学して大学生活でやりたいことを教えてください。
学習面でいうと、様々な分野を共創学部で学べるので、いろんな分野をとりながら、いろんな視点を自分の中で身につけて、最終的には学生のうちか大学卒業後かに起業したいなって思って。何か自分でビジネスやって、環境保全と地域活性化にアプローチできるようなビジネスをできたらいいなって思って。そのためにビジネスとか勉強したりとか、いろんな分野を学んだりしたいです。
―――なるほど。
で、課外活動面とかでは、ダンスサークルとか入ったり、あと海外の友達とかも、留学生たくさんいるので作ったりとか。そういうキャンパスライフをエンジョイしたりしたいです(笑)
―――結局、環境と地域活性化はもう本気になったんですね?
結構ガチになっちゃって、はい。
―――それを、ビジネス面から解決できるアプローチを?
そうです。ビジネス面から。
―――なるほどね。
ガチにしたいです。
(11)将来やりたいことは何ですか。
将来やりたいのは、やっぱり環境保全と地域活性化に取り組んでいきたいですし、自分でビジネスを立ち上げて、それに取り組んでいけたらなって。まだ高校生なんでちょっと視野狭いんで、まだわかんないんですけど、大学でもっといろんなこと学んだらもっと可能性広がるし。あと大学で学ぶ中で、また方向性が変わったりはすると思うので、そのときは柔軟に、こういうのがいいんじゃないって思ったら、挑戦したりとか、柔軟に対応していきたいと思ってます。
―――あなたならできそうですね。想定してたのは日本のことなんですか?
日本のことです。地域過疎化が進んでるし、北九州も人口減少とか言われてるから、もうちょっと何かできるんじゃないかなって思ってて。それに、どこから取り組むかって言われると、今んところはビジネスって思ってて。市役所とかよりビジネスでやりたいと思って。
―――今の世の中で言ったら、そっちじゃないと持続させるのが難しいですよね。
(12)東筑高校での生活はどうでしたか。
端的に言うと、本当に充実した3年間でした。東筑に来て一番良かったなって思ってることは、やっぱ仲間で。周りの友達が本当に努力してる人が多くて、自分もすごい周りの人たちから刺激受けたし、もっと勉強しなきゃとか、自分ももっと頑張れるんじゃないかとか思って、本当に頑張れましたね。あとは、私ESS部に所属してたんですけど、先輩とかも英語ですごいはきはきディベートしてて、スラスラ答えてるんですよ、相手の反論とかにも。もうそんな姿にもすごい憧れたし、こんなふうになりたいって思えた。目標ができたのは本当に東筑のいいところだなって思いました。やっぱり東筑はみんなで高め合える環境が整ってるなって思いましたね。はい。
―――なるほど。
やっぱり東筑に来てなかったら今の進路もありえないかなって本当に思ってます。
―――そうなんだ。
はい。こんな活動も、放置竹林とか絶対してないし、英語ディベートから英語プレゼンするとか、もう絶対してないし。本当にしてないです。
―――中学校のときにそういったものに興味はなかったんですか?
目立ったのは特にないです。ずっと部活ばっかしてました。
―――部活は中学校は何でしたか?
陸上部です。英語は好きだったけど、そんな活動するまでとか、大会に参加とか、そういうのは何もしてなくて、ただただ部活してました。
―――なるほど。むしろESS部に入ったきっかけは何だったんですか。
陸上がもう高校に入ったらしなくていいかなって、結構中学のときに満足だったので。何か違う部活に入りたいなって、考えてて。英語好きじゃんってなって、ESS部に入ろうってなりました。
―――すごく強い目的意識があって、これを選んで、これを選んで、今ここに至ってるっていうより、これが好きで、とか。これするからこれしようかなみたいなところから繋がっていってって感じなんですね?
そうですそうです。だからその環境があるのはやっぱり東筑だと。周りが良いから。
―――なるほどね。ある意味、環境がないとそれが偶然に発生し得ないからっていうことですね。
(13)本校を目指す中学生へのメッセージをお願いします。
最初は、私も東筑高校難易度高いし、行けないかもって思ってて。やっぱ目指すのは東筑だけど、受験勉強つらいし、やめたいときもたくさんあったんですけど、でも、東筑に入ってる自分みたいなのをずっと想像して、「ああ、キラキラしてる!!」みたいなそういうのを思い浮かべながらずっと頑張って。ようやく受かったときはめっちゃ喜んだし、泣くほど喜んだので、もうその姿を想像して、こういう自分になりたいっていうのを具体的に想像しながら勉強するのがいいなって思います。あと、東筑に入ったら絶対後悔はしません、っていうのは本当に言えます。絶対入ってよかったって思うし、やっぱ友達、本当に環境がいいです。努力できる環境だから。他の高校より絶対東筑選んだ方が自分の能力を最大限発揮できる、自分が持ってるものを発揮できるんじゃないかなって思ってます。
―――東筑は、生徒同士の中でみんな頑張り合うし刺激を与え合ってるのがすごくいいよね。
―――ちなみになんですが、中学生のときって東筑入るとき比較的余裕があった方ですか。
中学校の順位の中ではほどほど上位の方で、目指すなら東筑かな、ぐらいで思ってて。最初軽く思ってて、本当に何も考えてなかったんですよ、3年上がって、夏ぐらいまで。でも、どこかなってなったときに、東筑ってなったら、そこからめっちゃ勉強頑張り始めて。そしたら入れたっていう。
―――中学校のときの判定はどうでしたか?
もう本当に3年の一番最初とかD判定でした。けど、最後C判定とかで、1回B判定くらいで。
―――なるほど。合格可能性が誰から見てもすごく高いわけではなかったということですね。しかし、それを乗り越えたんですね。
乗り越えて、乗り越えて、何とか乗り越えて、ここまで来てみたいな。そしたらさらに東筑が自分を伸ばしてくれました。