部活動(委員会など)

平成27年度福岡県高等学校保健会北九州支部

標語・論文・ポスターコンクール「論文の部 第一位」

 

   自分だけは大丈夫

 

            東筑高等学校  山田 楓華

 

 私は、今年の夏休みに全国の各県から約百人の高校生が集まって、とある講義を受けるという企画に参加する機会を得ました。そこで私は、友達になった他の地方の参加者に「福岡のイメージってどんな感じ?」と聞いてみました。するとその友達は「明太子!」「博多弁!」などといくつか答えてくれました。しかし、ある他の友達からは「福岡っていうと、飲酒運転が多いイメージ」と言われてしまいました。

 確かに、福岡では毎日のようにテレビで飲酒運転に関するニュースを見かけます。二○○六年には、海の中道大橋で飲酒運転をしていた乗用車に追突されて、博多湾に転落した三人の子どもの尊い命が失われてしまうという、とても悲しい事故がありました。その当時は、テレビで毎日のように報道されていて、またその亡くなった子どもが私と同じくらいの年齢だったこともあり、幼いながらにとてもショックを受けたことを覚えています。

 そもそも、なぜお酒を飲むと事故が起こるのでしょうか。それは、アルコールを摂取すると少量でも脳の機能を麻痺させてしまうからです。お酒に酔うと、顔が赤くなる・多弁になる・視力が低下するなどの変化が現れ始め、同じ話を繰り返したり足元がふらついたりします。このように飲酒時には、安全な運転に必要な情報処理能力や注意力、判断力が低下している状態に陥ります。具体的には、運転時に「気が大きくなり速度超過などの危険な運転をする」「車間距離の判断を誤る」「危険を察知してからブレーキペダルを踏むまでの時間が長くなる」などの影響がでてきます。実際に飲酒運転の死亡事故率は、飲酒なしの場合と比べて九・一倍、酒酔い運転の場合だと約十九・五倍にも跳ね上がります。これらのことから、言うまでもなく飲酒をして運転をすることは、事故に結びつく危険性が極めて高いのです。

 飲酒運転が世の中の大きな問題となっている今、飲酒運転が法律で禁止されていることは誰もが知っていることだと思います。それではなぜ、飲酒運転による事故が後を絶たないのでしょうか。加害者等の事故体験談を読んでみると、「自分は運転が上手いから」「自分はお酒に強いから」「そんなに飲んでないし」「まだそんなに暗くないし、距離も近いから」などという自分勝手な理屈や判断による言い訳が多く見られました。それらは、誰もが持っている心の弱さなのかもしれません。大人だから、お酒を飲むことや車を運転することが許されています。それなのにそこで、自分の中の「一度くらい飲酒運転をしてもいいよね。」という弱い心を許してしまうことは、子どものわがままと大して変わらないのではないかと思います。

 もちろん飲酒運転は違法なので、罰金が科せられたり、免許証が取り消されたり、それが原因で仕事を失ったり、家族との縁を切られたりと、自分の人生を棒に振ることになってしまいます。しかし、大切なのはそこではありません。それは、何の関係もない人が理不尽な理由で命を奪われるということです。きっと、皆大切な家族や友達がいて、将来の夢やまだまだやりたいこともたくさんあったことだと思います。飲酒運転の車が猛スピードで突っ込んできた瞬間、避けることができない状況の中でその人達は何を思ったのでしょう。取り残された遺族の方々は何を思ったのでしょう。想像するだけで本当に胸が痛みます。

 飲酒運転は事故などではなく立派な犯罪です。車を運転することは、大人の人にとっては日常生活において欠かせないことだと思います。しかし、お酒を飲んでから車に乗ることは意図的なことで、本来なら避けることができたはずです。それを、自分勝手な理屈や判断で「自分だけは大丈夫」と思い込み、それが結果的に他人の尊い命を奪うことにつながっています。人の命を奪ってから、事の重大さに気付くのでは遅いのです。大人の皆さんは飲酒運転をする前に、一度自分の人生と飲酒運転とを天秤にかけてみてください。そして、私達高校生は「子どもだから関係ない」と思うのではなく、周りに飲酒運転をしてしまいそうな人がいたら、止めたり注意したりすることも大切です。 将来、私達が大人になったときには飲酒運転がゼロの社会になっていてほしいと、強く思います。

 

 

 

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